講話音声再生(472~482)

第四七二条 「神仏はご自分の悪をいわれるより、かわいい子のわるをいわれるのが、お好きにならん。この有り難い事をよく考えて見よ。」

第四七三条 「死ぬ時の願い事はよくかなうものである。これは何も不思議な事はない。これはこの世でわが身に未練がないから、神仏があわれんで下さるからで、これを見ても、神仏はわが身を案じる事がいかにおきらいであるかがよくわかる。」

第四七四条 「人を助けたい願いはこの世でかなうが、欲の願いは、この世の行が届かねばかなわぬものである。これを見ても、わが身の願いは一代をぎせいにする覚悟がなければ届かぬものである。」

第四七五条 「人の行というものは、習うより慣れる事が大切でくせにならぬと使えぬ。」

第四七六条 「人を助ける願いはかないやすいというても、その助けたい心の中に少しでもわがの事がふくまれているとかないにくいぞ。」

第四七七条 「人をためしてみるということ、疑いから出たとしたら悪い事である。」

第四七八条 「人にあやまちがあった時には、自分が誤った気持でつきあえよ。」

第四七九条 「質素はわが身のためにするのではない。天のめぐみにお礼申す気持でするのがよい。神のめぐみにあまえぬ心がけがいる。余分ができたら世の中のために備えて、おくのがよい。」

第四八〇条 「人の行には重いと軽いとがある。わが身の上のことはすてて、重い方に従うていくのがよい。ところが、この重い軽いをはかりわけるには、わが身のことをすてねばわからん。昔からこの はかりわけを間違えて汚名を残した人が沢山ある。」

第四八一条 「世の中に義務のみ重きをおき、権利をわすれる時がきたら、楽土というてもよいのである。」

第四八二条 「身体の悪い時には、すべてを神様にまかせ、自分はぐっすり寝るのがよい。そうすると人間の五官の働きは全く休んで全身の力が悪い所へ集まるから直りが早い。」