講話音声再生(385~390)
第三八五条 「弘法大師は「一を聞いて十を知る智恵」があると人がいうが、これは一字を教えられて十字を知るということでない。一つの事を聞いたら十もの道に使う事である、このようにしてこそ、 世の中の用に立つ、一を聞いて十を知る人について行けぬと考えず教えについて行けると言うのがよい、何とありがたいお言葉ではないか。」
第三八六条 「草木にいたるまで、すべて世の中の役に立つという事に力を入れているそのお陰でわが身を立てている、人として大いに見習わねばならぬ事である。」
第三八七条 「実行のともなわぬ言葉は、かえって毒になる。知らずとする事にはつみは少ないが、知って行わぬのは、神を軽く見るかたちになる。」
第三八八条 「神仏に縁の深い人は、大きな変動の有る時常に練習しているから結構に乗り切る事ができる。平常に最悪の場合の心ぐみが肝要である。」
第三八九条 「人の世と神の世とを結ぶ縁の綱(ジュズ)、この綱をいつも離してはならぬ。これを形どったものが念珠と心得て、ゆめおろそかにしてはならぬ。」
第三九〇条 「長者というのは、金持ちばかりを言うのでない。ほんとうの長者というのは何が無くとも喜べる心の宝を、沢山持っている人を言うので、ふえず、へらずの福俵、わがも喜び、人にいくら施しても、減るものではない。」