講話音声再生(184~193)
第一八四条 「権利を世の中で重宝がるが、元をただせば争いから生まれている。服従という事は、和を元として始まっておる」
第一八五条 「神の道は宗教でない。宗教は人を離れて存在出来ぬが、神の道は人を離れても一糸乱れぬ真理である。」
第一八六条 「すべて何事によらず、理屈よりも慣れる事が大事である。平常によく知っている事でも、実際にぶっつかると、やりくじるものである。えらい人にもこれはよくある。実際に慣れておらぬからである。こと自分に理のある時によくやりくじりやすい。」
第一八七条 「天は人の生きるに、一時も欠く事の出来ぬものは無償で、与えている。人はこの広大無辺の恵みに感謝せずして、徒らに人を損ねる名利にのみ有り難がってはならぬ。」
第一八八条 「世の中は十人十色であって、しかもめいめい自分を信じている 。これが天の妙理である。ほんとうに考えるなれば、一味一色であるべきはずであるが、わが身を愛するがゆえに六道に分れてくる。この六道に落ちたる者をさげすむ心起らば、我も尚六道に迷える者と知れ。身のまわりのものすべてが、たとえわが命を取る者であっても、喜び得てこそ真の極楽浄土に安住したといい得よう。ここにはじめて、神の光明を見られるのである。」
第一八九条 「天地と共に不朽の仕事は、他を重んずる人に依って成されるものである。」
第一九〇条 「我を除けば敵は無きものである。」
第一九一条 「たとえ良き事でも人に話して喜ばれぬ時は、人を悪く思うな。罪必ず我にある。」
第一九二条 「わが心に少しも思いよらぬ事で、人を悪く思わせる事がある。これは前生の罪が、人に写るのである。喜んで省みるべきぞ。人のとがを先に考えてはならぬ。」
第一九三条 「昔より『天定まれば人に勝つ』という語がある。信心なき人でも運の強き者があり、まことに信心な人にも不運な人がある。 これはただ一局部を見ての話であって、長い間を見れば、やはり神の心に添わぬものは、滅びておる。この一局部に矛盾したような結果があるのは、その人の前の世の運によるので、その前の世の運がつきれば、天は改造の手をその人の上に下す。その時は、人の力でいかんともすることができぬ。その事をかくいうたものである。」